これって熱中症?
薬剤師がやさしく解説
- 熱中症が疑われたら、まず冷房の効いた室内など涼しい場所へ移動します
- 衣服をゆるめ、首まわり・脇の下・足の付け根などを冷やします
- 意識がはっきりしていて吐いていなければ、少しずつ水分・塩分を補給します
- 返事がおかしい、自力で飲めない、症状が改善しない場合は119番を考えてください
⚠ 迷わず119番を呼ぶ状態
- 呼びかけへの反応がおかしい、意識がない
- 自力で水分を飲めない
- けいれんしている
- まっすぐ歩けない、立てない
- 体が非常に熱い
- 涼しい場所で冷やしても症状が改善しない
意識がはっきりしない人に、無理に飲み物を飲ませてはいけません。誤って気管に入る危険があります。
熱中症でみられる主な症状
| 状態の目安 | 主な症状 | 対応 |
|---|---|---|
| 比較的軽い | めまい、立ちくらみ、大量の汗、筋肉痛、こむら返り、生あくび | 涼しい場所へ移動し、体を冷やして水分・塩分を補給 |
| 注意が必要 | 頭痛、吐き気、嘔吐、強いだるさ、力が入らない、集中できない | 一人にせず経過を確認。改善しない、水分を飲めない場合は医療機関・救急要請 |
| 緊急 | 返事がおかしい、意識がない、けいれん、まっすぐ歩けない、体が非常に熱い | ただちに119番。救急車を待つ間も体を冷やす |
※症状の現れ方や進み方には個人差があります。表は自己判断のための診断基準ではありません。
熱中症とは? 室内でも起こります
熱中症は、暑さや湿度、運動などによって体温調節のバランスが崩れ、体の中に熱がたまった状態です。炎天下だけでなく、風通しの悪い室内、夜間、入浴後などにも起こります。
特に注意したいのは、高齢者、乳幼児、持病のある方、暑さに慣れていない方、体調が悪い方です。
💡 汗が出ていないから大丈夫、とは限りません
重い熱中症では、汗をうまくかけなくなることもあります。汗の量だけで判断せず、受け答えや歩き方、体の熱さなどを確認しましょう。
熱中症が疑われたときの応急処置
- 意識を確認する名前を呼び、普段どおり受け答えできるか確認します。反応がおかしければ119番です。
- 涼しい場所へ移動する冷房の効いた室内や、風通しのよい日陰へ移します。
- 衣服をゆるめて体を冷やすベルトや襟元をゆるめ、首まわり・脇の下・足の付け根などを冷やします。
- 飲める状態なら少しずつ水分補給意識がはっきりしていて、吐き気や嘔吐がなく、自力で飲める場合に限ります。
- 一人にせず、改善を確認する良くならない、水分を飲めない、途中で反応がおかしくなった場合は救急車を呼びます。
高齢者が特に注意したい理由
高齢になると、暑さやのどの渇きを感じにくくなり、体内の水分量も少なくなります。また、暑くてもエアコンを控えたり、夜間に水分をとらなかったりして、気づかないうちに脱水が進むことがあります。
子どもは大人より地面の暑さを受けやすい
子どもは体温調節が未熟で、体調の変化をうまく言葉で伝えられないことがあります。身長が低いため、地面からの照り返しの影響も受けやすくなります。顔が赤い、汗がひどい、元気がない、返事が鈍い、急にぐずるなど、普段との違いに注意してください。短時間でも車内に子どもを残してはいけません。
薬を飲んでいる方が注意したいこと
薬そのものだけで熱中症になるとは限りませんが、体内の水分量、発汗、体温調節、のどの渇きなどに影響する薬があります。利尿薬、SGLT2阻害薬、抗コリン作用のある薬、眠気やふらつきが出る薬、下剤などは、状況により注意が必要です。
⚠ 自己判断で薬を減らさないでください
暑いからといって、処方薬を自分で減らしたり中止したりしてはいけません。心臓病や腎臓病などで水分・塩分の制限を受けている方は、主治医からの指示を優先してください。
熱中症を防ぐ7つのポイント
- のどが渇く前に、こまめに水分をとる
- 大量に汗をかいたときは、適切に塩分も補う
- 室内でも冷房や扇風機を使う
- 外出時は帽子や日傘を使い、日陰で休憩する
- 暑くなり始めた時期は、無理をせず少しずつ暑さに慣れる
- 寝不足、二日酔い、発熱、下痢など体調不良の日は無理をしない
- 暑さ指数(WBGT)や熱中症警戒情報を確認する
熱中症のときは何を飲む?
飲み物は、その人の状態と汗のかき方で選びます。予防目的の日常的な水分補給と、すでに脱水が疑われるときの補給は分けて考えましょう。
| 飲み物 | 向いている場面 | 注意点 |
|---|---|---|
| 水・お茶 | 普段の生活、短時間の外出などでのこまめな水分補給 | 大量に汗をかいたときは、食事や適切な飲料で塩分も補う |
| スポーツドリンク | 運動や発汗時の水分・糖分・塩分補給 | 糖分が多い製品があります。糖尿病や血糖値が気になる方は量に注意 |
| 経口補水液 | 過度の発汗などによる軽度〜中等度の脱水が疑われるとき | 日常の飲み物ではありません。塩分・カリウム制限中の方は医師の指示を優先 |
⚠ 経口補水液は「毎日たくさん」ではありません
経口補水液を「熱中症予防のため毎日たくさん飲む」のはおすすめできません。経口補水液は脱水症のための飲料です。商品ごとに表示を確認してください。
経口補水液について「毎日飲んでいいですか」というご質問をよくいただきます。健康なときの日常的な水分補給は、水やお茶で十分です。脱水が疑われるとき、汗を大量にかいたときなど、必要な場面で活用してくださいね。持病があり塩分・カリウムを制限されている方は、必ず主治医の指示を優先してください。
まとめ
熱中症は、早く気づいて体を冷やすことが大切です。めまいや頭痛があるときは、無理をせず、まず涼しい場所へ移動してください。
意識がおかしい、自力で飲めない、症状が改善しない場合は、ためらわず119番。経口補水液や冷却用品を備えるだけでなく、日頃から冷房を使い、暑さを避けることが最も大切な対策です。
「ちょっと様子を見よう」が命取りになることもあります。迷ったら、早めに動く——それが熱中症といちばん上手につきあう方法だと思います。無理せず、涼しく過ごしてくださいね。
よくある質問
水だけ飲んでいれば熱中症を防げますか?
OS-1などの経口補水液は毎日飲んでよいですか?
熱中症に痛み止めを飲んでもよいですか?
夜でも熱中症になりますか?
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参考資料
本記事は一般的な情報提供を目的としたもので、診断や治療の代わりではありません。症状が強い場合、持病がある場合、判断に迷う場合は、医療機関・救急相談窓口・119番などへ相談してください。なお、記事内のリンクには広告(アフィリエイト)が含まれる場合があります。

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