これって熱中症?薬剤師がやさしく解説

季節の健康

これって熱中症?
薬剤師がやさしく解説

しばまる先生
薬剤師・しばまる薬局
2026.7.22 更新
先に結論
  • 熱中症が疑われたら、まず冷房の効いた室内など涼しい場所へ移動します
  • 衣服をゆるめ、首まわり・脇の下・足の付け根などを冷やします
  • 意識がはっきりしていて吐いていなければ、少しずつ水分・塩分を補給します
  • 返事がおかしい、自力で飲めない、症状が改善しない場合は119番を考えてください

⚠ 迷わず119番を呼ぶ状態

  • 呼びかけへの反応がおかしい、意識がない
  • 自力で水分を飲めない
  • けいれんしている
  • まっすぐ歩けない、立てない
  • 体が非常に熱い
  • 涼しい場所で冷やしても症状が改善しない

意識がはっきりしない人に、無理に飲み物を飲ませてはいけません。誤って気管に入る危険があります。

熱中症でみられる主な症状

状態の目安主な症状対応
比較的軽いめまい、立ちくらみ、大量の汗、筋肉痛、こむら返り、生あくび涼しい場所へ移動し、体を冷やして水分・塩分を補給
注意が必要頭痛、吐き気、嘔吐、強いだるさ、力が入らない、集中できない一人にせず経過を確認。改善しない、水分を飲めない場合は医療機関・救急要請
緊急返事がおかしい、意識がない、けいれん、まっすぐ歩けない、体が非常に熱いただちに119番。救急車を待つ間も体を冷やす

※症状の現れ方や進み方には個人差があります。表は自己判断のための診断基準ではありません。

熱中症とは? 室内でも起こります

熱中症は、暑さや湿度、運動などによって体温調節のバランスが崩れ、体の中に熱がたまった状態です。炎天下だけでなく、風通しの悪い室内、夜間、入浴後などにも起こります。

特に注意したいのは、高齢者、乳幼児、持病のある方、暑さに慣れていない方、体調が悪い方です。

💡 汗が出ていないから大丈夫、とは限りません

重い熱中症では、汗をうまくかけなくなることもあります。汗の量だけで判断せず、受け答えや歩き方、体の熱さなどを確認しましょう。

熱中症が疑われたときの応急処置

  1. 意識を確認する名前を呼び、普段どおり受け答えできるか確認します。反応がおかしければ119番です。
  2. 涼しい場所へ移動する冷房の効いた室内や、風通しのよい日陰へ移します。
  3. 衣服をゆるめて体を冷やすベルトや襟元をゆるめ、首まわり・脇の下・足の付け根などを冷やします。
  4. 飲める状態なら少しずつ水分補給意識がはっきりしていて、吐き気や嘔吐がなく、自力で飲める場合に限ります。
  5. 一人にせず、改善を確認する良くならない、水分を飲めない、途中で反応がおかしくなった場合は救急車を呼びます。

高齢者が特に注意したい理由

高齢になると、暑さやのどの渇きを感じにくくなり、体内の水分量も少なくなります。また、暑くてもエアコンを控えたり、夜間に水分をとらなかったりして、気づかないうちに脱水が進むことがあります。

子どもは大人より地面の暑さを受けやすい

子どもは体温調節が未熟で、体調の変化をうまく言葉で伝えられないことがあります。身長が低いため、地面からの照り返しの影響も受けやすくなります。顔が赤い、汗がひどい、元気がない、返事が鈍い、急にぐずるなど、普段との違いに注意してください。短時間でも車内に子どもを残してはいけません。

薬を飲んでいる方が注意したいこと

薬そのものだけで熱中症になるとは限りませんが、体内の水分量、発汗、体温調節、のどの渇きなどに影響する薬があります。利尿薬、SGLT2阻害薬、抗コリン作用のある薬、眠気やふらつきが出る薬、下剤などは、状況により注意が必要です。

⚠ 自己判断で薬を減らさないでください

暑いからといって、処方薬を自分で減らしたり中止したりしてはいけません。心臓病や腎臓病などで水分・塩分の制限を受けている方は、主治医からの指示を優先してください。

熱中症を防ぐ7つのポイント

  • のどが渇く前に、こまめに水分をとる
  • 大量に汗をかいたときは、適切に塩分も補う
  • 室内でも冷房や扇風機を使う
  • 外出時は帽子や日傘を使い、日陰で休憩する
  • 暑くなり始めた時期は、無理をせず少しずつ暑さに慣れる
  • 寝不足、二日酔い、発熱、下痢など体調不良の日は無理をしない
  • 暑さ指数(WBGT)や熱中症警戒情報を確認する

熱中症のときは何を飲む?

飲み物は、その人の状態と汗のかき方で選びます。予防目的の日常的な水分補給と、すでに脱水が疑われるときの補給は分けて考えましょう。

飲み物向いている場面注意点
水・お茶普段の生活、短時間の外出などでのこまめな水分補給大量に汗をかいたときは、食事や適切な飲料で塩分も補う
スポーツドリンク運動や発汗時の水分・糖分・塩分補給糖分が多い製品があります。糖尿病や血糖値が気になる方は量に注意
経口補水液過度の発汗などによる軽度〜中等度の脱水が疑われるとき日常の飲み物ではありません。塩分・カリウム制限中の方は医師の指示を優先

⚠ 経口補水液は「毎日たくさん」ではありません

経口補水液を「熱中症予防のため毎日たくさん飲む」のはおすすめできません。経口補水液は脱水症のための飲料です。商品ごとに表示を確認してください。

薬剤師の現場メモ

経口補水液について「毎日飲んでいいですか」というご質問をよくいただきます。健康なときの日常的な水分補給は、水やお茶で十分です。脱水が疑われるとき、汗を大量にかいたときなど、必要な場面で活用してくださいね。持病があり塩分・カリウムを制限されている方は、必ず主治医の指示を優先してください。

まとめ

熱中症は、早く気づいて体を冷やすことが大切です。めまいや頭痛があるときは、無理をせず、まず涼しい場所へ移動してください。

意識がおかしい、自力で飲めない、症状が改善しない場合は、ためらわず119番。経口補水液や冷却用品を備えるだけでなく、日頃から冷房を使い、暑さを避けることが最も大切な対策です。

「ちょっと様子を見よう」が命取りになることもあります。迷ったら、早めに動く——それが熱中症といちばん上手につきあう方法だと思います。無理せず、涼しく過ごしてくださいね。

よくある質問

水だけ飲んでいれば熱中症を防げますか?
普段の水分補給なら水やお茶も選択肢です。ただし、大量に汗をかいたときは水分だけでなく塩分も失います。食事やスポーツドリンクなど、状況に合った補給を考えましょう。
OS-1などの経口補水液は毎日飲んでよいですか?
経口補水液は、軽度から中等度の脱水症に用いるものです。健康なときの日常的な水分補給として飲み続けるものではありません。
熱中症に痛み止めを飲んでもよいですか?
頭痛だけを痛み止めで隠してしまうと、受診が遅れる可能性があります。また、脱水時には一部の鎮痛薬が腎臓へ負担をかけることがあります。まず涼しい場所への移動、冷却、水分補給を行い、強い頭痛や吐き気、改善しない症状があれば医療機関へ相談してください。
夜でも熱中症になりますか?
なります。夜間も室温や湿度が高い状態では、寝ている間に熱がこもり、脱水が進むことがあります。就寝中も冷房を適切に使い、寝る前の水分補給を心がけましょう。
しばまる先生
薬剤師

ドラッグストア・調剤薬局での経験をもとに、市販薬や処方薬、健康に役立つ情報を、できるだけわかりやすくお届けします。「むずかしい薬の話を、いちばんやさしく」がモットーです。

参考資料

本記事は一般的な情報提供を目的としたもので、診断や治療の代わりではありません。症状が強い場合、持病がある場合、判断に迷う場合は、医療機関・救急相談窓口・119番などへ相談してください。なお、記事内のリンクには広告(アフィリエイト)が含まれる場合があります。

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