コエンザイムQ10の効果と 注意点|薬剤師が解説

栄養・サプリ

コエンザイムQ10の効果と
注意点|薬剤師が解説

しばまる先生
薬剤師・しばまる薬局
2026.8.2 更新
結論

コエンザイムQ10(CoQ10)は、体内でエネルギーを作る過程に関わる脂溶性の物質です。健康食品として「疲労」や「美容」への効果がうたわれることがありますが、一般の健康な方がサプリとして摂った場合の効果は、十分に確立していません。ワルファリンの作用を弱める可能性が報告されているため、服用中の方は自己判断で開始・中止せず、主治医または薬剤師に相談してください。

こんにちは、薬剤師のしばまるです。
「コレステロールの薬を飲んでいるので、コエンザイムQ10も一緒に摂った方がいいですか?」というご相談、実はよくあるんです。今日はその背景を解説しますね。

コエンザイムQ10とは

コエンザイムQ10は、体内のほぼすべての細胞に存在し、エネルギー産生や、抗酸化作用に関わるとされる物質です。体内でも作られますが、加齢とともに減少するといわれており、肝臓・内臓肉・牛肉・豚肉・かつおなどの食品にも含まれています。食品から通常摂取する量と、サプリメントの高含有量は同列には扱えません。健康食品として、疲労感や美容を目的に販売されていることが多い成分です。

今わかっていること・確認したいこと

確認項目現在わかっていることとりたい行動
効果健康な方がサプリとして摂取した場合の効果は、十分に確立していない効果を過度に期待せず、専門家に相談する
ワルファリン併用で作用が弱まった症例報告がある開始・中止のどちらも自己判断せず、主治医・薬剤師に相談する
スタチン血中CoQ10が低下する報告はあるが、サプリを追加する必要性や筋肉症状への有効性は確立していない「減るから補う」と自己判断せず、症状があれば主治医に相談する
降圧薬相互作用の可能性が指摘されているが、血圧への効果は見解が一致していない自己判断で追加せず、主治医・薬剤師に相談する
妊娠・授乳中十分な安全性情報がない自己判断で使用せず、産婦人科の医師または薬剤師に相談する

💡 「効果があるかどうかは、まだよく分かっていない」

「食品や体内に存在する」「医薬品でも使われている成分」と聞くと、安全で効果がありそうな印象を受けるかもしれませんが、健康食品としてのコエンザイムQ10を摂ったときに、疲れにくくなる・美容によいといった望ましい効果は、十分に確立していないとされています。健康食品は、医薬品と違って品質や含有量にばらつきがあり、医薬品と同じような効果や安全性が期待できるとは限らないとされています。

ワルファリンを服用中の方へ

⚠ 開始するときも、やめるときも相談を

コエンザイムQ10は、抗凝固薬のワルファリンの作用を弱める可能性が報告されています。自己判断で開始・中止せず、主治医または薬剤師に相談してください。必要に応じた凝固に関する血液検査(PT-INR)の確認は、主治医が判断します。

スタチン(コレステロールの薬)を服用中の方へ

スタチンの服用で血中のCoQ10が低下した報告はあります。ただし、CoQ10サプリを日常的に追加する必要性や、スタチンに伴う筋肉症状を改善する効果は確立していません。「減るから補ったほうがいい」と自己判断せず、筋肉痛、脱力感など気になる症状がある場合は、サプリで様子を見ず、処方した医師または薬剤師に相談してください。

使うときの注意点

⚠ ここだけは確認してね

  • 降圧薬との併用で薬の作用に影響する可能性が指摘されていますが、CoQ10の血圧への効果については見解が一致していません…服用中の方は、自己判断で追加せず主治医・薬剤師に相談してください
  • 摂取により、吐き気、胃の不快感、下痢などの胃腸症状が現れることがあります…製品の摂取目安量を守り、体調変化があれば使用を中止して相談してください
  • 妊娠中・授乳中の使用については、十分な安全性情報がありません…自己判断で使用せず、産婦人科の医師または薬剤師に相談してください
  • 治療中の持病がある方、他の薬を服用中の方は、自己判断で追加せず、事前に医師・薬剤師にご相談ください

「利用メモ」をつける習慣を

健康食品を使用する際は、「利用メモ」をつける、製品の箱や容器を写真に残しておくなどして、体調の変化に注意することがすすめられています。何かあったときに、いつから何を、どのくらいの量摂取していたかを振り返れるようにしておくと安心です。

薬剤師の現場メモ

「コレステロールの薬とコエンザイムQ10、一緒に飲んだ方がいいですか?」というご質問には、まずは主治医に確認することをおすすめしています。「薬で減るから、サプリで補えばいい」という単純な話ではないのが、この成分の難しいところです。健康食品を試したい気持ちはよく分かりますが、「効果を期待してすぐに飛びつく」前に、専門家に相談する一手間が、安全に使うための近道ですよ。

CoQ10を使う前に相談したいケース

⚠ 次に当てはまる方は、使用前に医師・薬剤師へ相談を

  • ワルファリン、降圧薬、糖尿病治療薬などを使用している
  • 治療中の病気がある、または複数の薬・サプリを使用している
  • 妊娠中・授乳中である
  • スタチン服用中に筋肉痛や脱力感などがある

すぐに医療機関へ相談したい症状

⚠ 使用を中止して、速やかに相談を

摂取後に強い体調不良、息苦しさ、全身の発疹などが現れた場合は使用を中止し、症状に応じて速やかに医療機関へ相談してください。

まとめ

コエンザイムQ10は、エネルギー産生や抗酸化作用に関わるとされる物質ですが、健康食品として摂取したときの効果は、十分に確立していないとされています。ワルファリンは開始・中止のどちらも相談が必要スタチンで「減るから補う」は自己判断しない降圧薬との関係は見解が一致していない——この3点を押さえ、迷ったら必ず医師・薬剤師にご相談ください。

「体にいいはず」で始める前に、今飲んでいる薬との関係を確認する——これが、サプリメントと安全に付き合う基本です。お薬手帳を見せていただければ、一緒に確認しますよ。

コエンザイムQ10に関するよくある質問

血液をサラサラにする薬を飲んでいます。コエンザイムQ10は飲めますか?
ワルファリンの作用を弱める可能性が報告されています。開始するときも、やめるときも自己判断せず、主治医または薬剤師にご相談ください。
コレステロールの薬を飲んでいます。コエンザイムQ10を一緒に摂った方がいいですか?
スタチンの服用で血中CoQ10が低下した報告はありますが、サプリを日常的に追加する必要性や、筋肉症状を改善する効果は確立していません。「減るから補う」と自己判断せず、症状がある場合は処方した医師にご相談ください。
本当に疲れにくくなりますか?
健康食品としてのコエンザイムQ10を摂ったときの効果は、十分に確立していないとされています。効果を期待して安易に始めるのではなく、専門家に相談することがすすめられています。
血圧の薬を飲んでいても大丈夫ですか?
降圧薬との併用で薬の作用に影響する可能性が指摘されていますが、CoQ10の血圧への効果については見解が一致していません。自己判断で追加せず、主治医・薬剤師にご相談ください。
妊娠中でも摂れますか?
妊娠中・授乳中の使用については、十分な安全性情報がありません。自己判断で使用せず、産婦人科の医師または薬剤師にご相談ください。
しばまる先生
薬剤師

ドラッグストア・調剤薬局での経験をもとに、市販薬や処方薬、健康に役立つ情報を、できるだけわかりやすくお届けします。「むずかしい薬の話を、いちばんやさしく」がモットーです。

参考資料

※本記事は一般的な情報提供を目的としています。体質や健康状態によって適した製品・摂取量は異なります。医薬品を使用する際は添付文書を確認し、ご不明な点は医師・薬剤師・登録販売者にご相談ください。体調が改善しない場合や悪化した場合は、医療機関を受診してください。なお、記事内のリンクには広告(アフィリエイト)が含まれる場合があります。

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