眠くなりにくい市販の痛み止め
成分と選び方を
薬剤師が解説
「絶対に眠くならない」と言い切れる市販の痛み止めはありません。
眠気を避けたい場合は、まず鎮痛成分だけの単一成分製品など、鎮静成分を含まない製品を候補にします。そのうえで、外箱や添付文書に「服用後、乗物又は機械類の運転操作をしないこと」と書かれていないか必ず確認してください。記載がある製品では運転・機械操作をしてはいけません。
こんにちは、薬剤師のしばまるです。「仕事中や勉強中に使いたいから、眠くならない薬はある?」というご相談、よくいただきます。
鎮痛成分そのものだけでなく、一緒に配合されている鎮静成分などが眠気に関係することがあります。ただし、鎮静成分を含まない製品でも眠気やめまいなどが起こる可能性はゼロではありません。今日はそのチェックポイントをお伝えします。
眠気に関係しやすい成分を確認する
鎮静成分
一部の市販の解熱鎮痛薬には、アリルイソプロピルアセチル尿素やブロモバレリル尿素などの鎮静成分が配合されています。これらを含む製品では眠気などがあらわれることがあり、一般用解熱鎮痛薬の使用上の注意でも、服用後の運転や機械操作をしないよう示されています。
抗ヒスタミン成分
抗ヒスタミン成分は、鼻炎薬や総合かぜ薬などに含まれることがあり、眠気の原因になります。痛みや発熱があるからと総合かぜ薬を選ぶ場合は、鎮痛成分だけでなく、抗ヒスタミン成分や鎮咳成分も確認しましょう。単独の解熱鎮痛薬と、かぜ薬・鼻炎薬を重ねて飲むのは成分重複の危険があるため避けます。
カフェイン
無水カフェインなどは一部の頭痛薬に配合されていますが、「カフェイン入り=運転してよい」「眠気が起こらない」という意味ではありません。鎮静成分も一緒に入っている製品があります。就寝前の服用では眠りにくくなることがあり、カフェインに敏感な方では動悸や不眠が気になる場合もあります。
売場で「この薬眠くなりますか?」と聞かれたら、まず成分表示の裏面を一緒に確認するようにしています。「鎮静成分不使用」「単一成分」といった表示は目安になりますが、それでも運転禁止の記載があるかどうかの確認が一番確実です。
成分別の見分け方
| 確認する成分・表示 | 眠気との関係 | 選ぶときの注意 |
|---|---|---|
| 単一の鎮痛成分(アセトアミノフェン・イブプロフェン・ロキソプロフェンなど) | 鎮静成分を含まない製品は成分を把握しやすい | 鎮痛成分自体の副作用や禁忌は別にある。商品ごとの注意書きを確認 |
| アリルイソプロピルアセチル尿素/ブロモバレリル尿素 | 眠気などがあらわれることがある | 服用後は運転・機械操作をしない |
| 抗ヒスタミン成分 | 眠気や注意力低下の原因になり得る | 総合かぜ薬・鼻炎薬・乗物酔い薬などとの重複に注意 |
| 無水カフェインなど | 眠気を完全に防ぐ成分ではない | 運転禁止表示を打ち消さない。就寝前、不眠・動悸にも注意 |
眠気を避けたいときの選び方
- 成分表示を確認する外箱の「成分・分量」で、鎮静成分が入っていないか確認します。
- 単一成分製品を検討する候補が複数ある場合は、成分を把握しやすい単一成分製品を選ぶという考え方もあります。
- 運転禁止表示を確認する「服用後、乗物又は機械類の運転操作をしないこと」の記載を確認してください。
- 成分の重複をチェックすでに飲んでいるかぜ薬・鼻炎薬・鎮痛薬と成分が重ならないか確認します。
- 薬剤師に具体的に伝える迷う場合は「運転予定がある」「眠気を避けたい」と具体的に伝えて相談してください。
⚠ 運転・機械操作をする方へ
パッケージや添付文書に運転禁止の記載がある薬を服用した後は、眠気を自覚していなくても運転・機械操作をしないでください。初めて使う薬を運転直前に試すのも避けましょう。痛みそのものや体調不良でも集中力が落ちるため、安全に不安があるときは運転を控えてください。
眠気以外にも確認したい注意点
眠気だけで薬を選ぶと、別の重要なリスクを見落とすことがあります。鎮痛成分ごとに注意点が異なるため、次に該当する方は購入前に医師・薬剤師・登録販売者へ相談してください。
- 解熱鎮痛薬やかぜ薬でぜんそく・アレルギー症状を起こしたことがある
- 胃・十二指腸潰瘍、腎臓病、心臓病、肝臓病などの持病がある
- 医療機関で治療中、ほかの薬を使用中、妊娠中・授乳中である
- 小児または高齢者が使用する
- 痛み止めやかぜ薬をすでに服用している
アセトアミノフェンを含む製品は、別の解熱鎮痛薬や総合かぜ薬との重複により過量となると、重い肝障害につながるおそれがあります。商品名ではなく成分名で確認してください。
よくある質問
単一成分の痛み止めなら、必ず眠くなりませんか?
カフェイン入りなら運転しても大丈夫ですか?
ロキソプロフェン、イブプロフェン、アセトアミノフェンならどれがよいですか?
子どもや高齢者も同じ選び方でよいですか?
⚠ 受診の目安
市販薬で繰り返し抑えるだけにせず、次の場合は医療機関への相談・受診を検討してください。突然の激しい頭痛、意識障害、まひ、ろれつが回らない、高熱や首の硬さなどがある場合は緊急性があります。
- 突然経験したことのない激しい痛み、急速に悪化する痛みがある
- 意識がぼんやりする、けいれん、手足のまひ、言葉が出にくいなどがある
- 高熱、首の硬さ、繰り返す嘔吐、息苦しさなどを伴う
- 外傷後の痛み、妊娠中・産後の強い頭痛など、原因の確認が必要な状況がある
- 用法・用量どおりに使っても改善しない、繰り返す、服用回数が増えている
- 服用後に発疹、呼吸困難、強い眠気・めまいなどがあらわれた
まとめ
眠気を避けたいときは、鎮静成分の有無と運転禁止表示を確認することが基本です。ただし、鎮静成分を含まないことは「眠気が絶対に起こらない」「運転してよい」という保証ではありません。カフェインの有無だけで判断せず、商品ごとの添付文書に従い、持病や併用薬がある方は専門家へ相談しましょう。
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参考資料
- PMDA『服用(使用)中は車の運転をしてはいけないくすりがあるそうです。何故ですか?』
- PMDA『くすりの使用中に車の運転をしていいかどうかはどうしたらわかりますか?』
- 厚生労働省『かぜ薬等の添付文書等に記載する使用上の注意について』別添(一般用解熱鎮痛薬の使用上の注意)
- PMDA 一般用・要指導医薬品情報検索(各製品の添付文書)
※本記事は一般的な情報提供を目的としています。症状や体質によって適した医薬品は異なります。医薬品を使用する際は添付文書を確認し、ご不明な点は医師・薬剤師・登録販売者にご相談ください。症状が改善しない場合や悪化した場合は、医療機関を受診してください。なお、記事内のリンクには広告(アフィリエイト)が含まれる場合があります。

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