市販の湿布、結局どれ?
冷湿布・温湿布と成分の違いを薬剤師が解説
市販の湿布・外用鎮痛消炎薬は、冷感・温感だけでなく、配合成分と剤形を見て選ぶことが大切です。冷感・温感は主にメントールやトウガラシ由来成分による使用感の違いで、痛みや炎症を抑える中心成分には、ロキソプロフェン、フェルビナク、インドメタシンなどのNSAIDsや、サリチル酸系成分があります。同じ成分の製品で迷う場合は、冷感・温感を好みで選べますが、喘息歴、妊娠、年齢、使用部位、貼れる枚数などは製品ごとに確認してください。
こんにちは、薬剤師のしばまるです。
「冷湿布と温湿布、どっちが効くんですか?」——これ、実はよくある誤解が隠れている質問なんです。今日はその正体を解説しますね。
市販の湿布は大きくどう分かれる?
湿布には「冷湿布」「温湿布」と呼ばれるものがあり、それぞれ「冷やすもの」「温めるもの」と思われがちです。冷湿布には冷たさを感じるメントール、温湿布にはピリピリとした熱を感じるトウガラシ由来成分(カプサイシンなど)が含まれているため、そう感じる面が大きいとされています。ただし、温感成分には局所刺激・血行促進の作用もあるとされ、「薬効がまったく同じ」と言い切れるものではありません。同じ有効成分・同程度の製品同士で比べる場合は、使い心地の好みで選んで差し支えないとされています。
💡 効いているのは「中身の消炎鎮痛成分」
湿布・テープ剤の鎮痛効果は、配合されている消炎鎮痛成分によって得られます。市販薬には、ロキソプロフェン、フェルビナク、インドメタシン、ジクロフェナク、ケトプロフェンなどのNSAIDsを含む製品のほか、サリチル酸系成分を含む製品もあります。冷感・温感だけで強さを判断せず、成分、濃度、1日の使用回数、使用できる年齢を確認しましょう。
湿布の主な成分
| 成分 | 分類 | ひとこと |
|---|---|---|
| ロキソプロフェンナトリウム | NSAIDs | 市販のテープ剤に配合されることがある成分 |
| フェルビナク | NSAIDs | 市販薬でよく使われる成分のひとつ |
| インドメタシン | NSAIDs | 湿布・塗り薬など、さまざまな剤形で使われる |
| ケトプロフェン | NSAIDs | 一般用医薬品としても販売されている。光線過敏症への注意が特に必要 |
| サリチル酸メチルなど | サリチル酸系 | 市販薬では濃度の幅が広く、軽い痛みに使い分けられる |
| l-メントール | 清涼感 | 冷たく感じる成分。冷湿布に配合 |
| トウガラシエキス(カプサイシン) | 温感 | ピリピリとした熱を感じる成分。温湿布に配合。局所刺激・血行促進作用もあるとされる |
テープ剤・パップ剤・ゲル剤の違い
| 剤形 | 特徴 |
|---|---|
| テープ剤 | 薄手ではがれにくい。動きの多い関節などに向く |
| パップ剤 | 厚みがあり水分を含むタイプ。貼ったときにひんやりしやすく、腰や背中など広い部位に使いやすい製品があります。粘着力やかぶれやすさは製品・皮膚状態によって異なります |
| ゲル剤・ローション剤 | 広範囲や、動きの多い部位に塗りやすい |
使うときの注意点
⚠ ここだけは確認してね
- 温感タイプは刺激が強く、かぶれやすい方がいます…同じ部位に続けて貼らないでください。かぶれた場合は使用を中止してください
- 温感タイプ使用中の入浴…入浴の1時間前にははがし、新しい湿布は入浴後30分程度たってから貼ってください
- 過去に解熱鎮痛薬、かぜ薬、または外用鎮痛消炎薬を使用して喘息を起こしたことがある方は、NSAIDs配合製品を使用できない場合があります。購入前に成分と添付文書を確認し、薬剤師・登録販売者に相談してください
- 複数枚を同時に貼る、広範囲に使う、長期間続けて使うと、皮膚から吸収された成分が全身に作用することがあります。用法・用量を守ってください
- 妊娠中または妊娠している可能性がある方は、成分や妊娠時期によって使用の可否が異なります。自己判断で使用せず、医師・薬剤師・登録販売者に相談してください
- 子どもへのNSAIDs配合湿布の使用は、推奨されない場合があります。年齢表示を確認し、迷う場合は薬剤師にご相談ください
⚠ ケトプロフェン含有製品は、光線過敏症に特に注意
ケトプロフェンを含む外用薬では、紫外線によって光線過敏症が起こることがあります。使用中は貼付部を衣類やサポーターなどで覆い、使用後も添付文書に記載された期間は紫外線を避けてください。発疹・発赤・かゆみ・水ぶくれなどが出た場合は使用を中止し、患部を遮光して医療機関へ相談してください。
「湿布は塗り薬と違って、体に入らないと思っていた」という方も多いのですが、皮膚から吸収されて全身に作用することもある成分です。とくに、痛み止めをすでに飲んでいる方が、追加で湿布も使う場合は、成分の重複に注意が必要です。何枚も貼っている、広範囲に使っているという方は、ぜひ一度教えてくださいね。
痛みの種類で、選び方を変える
一般的に、急に痛めた(急性の)痛みには冷感タイプ、慢性的な痛みやこわばりには温感タイプが選ばれることが多いとされていますが、これも絶対的な基準ではなく、ご自身が心地よいと感じるほうを選んで差し支えないとされています。捻挫やぎっくり腰など、熱を持っている急性期は、冷感タイプが好まれる傾向があります。
市販薬で様子を見てよい? 受診の目安
⚠ こんなときは、市販薬で様子を見ず受診を
- 市販薬を5〜6日程度使用しても改善しない
- 悪化する
- 強い腫れ・熱感・しびれ・変形がある
- 安静にしていても強く痛む
- 外傷後、骨折や靭帯損傷が疑われる強い痛みがある
製品によって使用期間の上限があるため、添付文書も確認しましょう。
まとめ
冷感・温感は主に使い心地の違いですが、湿布選びで最も大切なのは配合成分、剤形、用法・用量、使用できる人の条件です。NSAIDs配合製品では喘息歴や妊娠中の使用に注意し、ケトプロフェン含有製品では光線過敏症対策が必要です。数日使っても改善しない痛みや、強い腫れ・しびれ・変形を伴う痛みは、市販薬だけで様子を見ず受診してください。
「冷たいほうが効く気がする」というのは、実はよくある思い込みなんです。成分表示を見て、自分に合うものを選ぶ——これが、湿布と上手につきあうコツですよ。
湿布に関するよくある質問
冷湿布と温湿布、どちらが効きますか?
湿布と飲み薬の痛み止めは一緒に使えますか?
湿布は何枚まで貼れますか?
湿布は何日まで使えますか?
ケトプロフェンの湿布は市販されていますか?
妊娠中でも使えますか?
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参考資料
※本記事は一般的な情報提供を目的としています。症状や体質によって適した医薬品は異なります。医薬品を使用する際は添付文書を確認し、ご不明な点は医師・薬剤師・登録販売者にご相談ください。症状が改善しない場合や悪化した場合は、医療機関を受診してください。なお、記事内のリンクには広告(アフィリエイト)が含まれる場合があります。

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